初鳴き

さっき外でセミが鳴いていた。

もっと前から鳴いていたのかもしれないけれど

さっき初めて気づいたので、今年のセミの初鳴きだ。

 

七夕に、初鳴き。

 

なんだか盛りだくさんだね。

 

今年の七夕は、ここらでは晴れている。

七夕の日に晴れてるなんて、何年ぶりだろう。

いつも雨だったり曇りだったりで、

ニュースキャスターがお約束でカササギの話をしてくれるけれど

今年は大丈夫なんじゃないかな。

 

七夕の飾りの一つ一つや、短冊の色なんかにも

きちんとそれぞれ謂れがあるらしいけれど、私はどれもあまりよく知らない。

年に一度会える恋人同士がテンションが上がって

他人の願い事まで叶えてくれようとしてるのか?くらいにしか思っていない。

 

それにしても、笹を飾ることも、短冊を書くことも、もう何年もやっていない。

 

そこらじゅうで短冊を配っているけれど、なんだかもらう事はしていない。

子供達の下げた短冊を見て「ガンダムになりたい」等というのを見つけて

(どのガンダムかな…∀だったりして)と思うくらいが関の山だ。

 

こういう時、いつも、少しだけ

「子供がいれば、また違ったかもな」等と思ってしまう。

 

子供がいれば、張り切って笹を飾ったかもしれないし

子供がいれば、ショッピングセンター等で、一緒に短冊を書いたかもしれない

子供がいれば、夜店に出かけて屋台で何か食べたりしたかもしれない

 

どれもこれも、子供がいてもいなくても、

やりたければ、いくらだってできることばかりだ。

 

なのに、なんだか躊躇してしまう。

少しやってみたいけれど、躊躇してしまう。

 

楽しそうな親子をちょっと遠くから眺めて

微笑ましいような、ちょっと寂しいような、不思議な気持ちを味わう。

 

その度に、まだ自分の中でいろんなことが消化しきれていないんだなと思い知る。

いつか、屈託なく、笹を飾って七夕を楽しめたらいいなあ。